VITA版は未プレイとなります。
里見直さんが原作のシナリオを担当していると聞き、アニメを視聴して面白かったので、本作の購入を決めました。
原作はアニメ版と同じ設定ですが、シナリオ展開(というよりは見せ方でしょうか)が大きく変わっており、アニメを先に見た人でも新鮮な気持ちでプレイできます。
まず悪かった点をあげますと、メニュー周りの操作が非常に低質です。
装備メニューでページ送りができないことを始め、UIは全体的に操作性が悪い、の一言に尽きます。
特に因果系譜システムは悪い意味でその集大成と言えます。NPCを管理しにくい、因果系譜画面でのカーソル移動が面倒で人物の繋がりを確認し辛い、目的の人物を探すのにとても手間が掛かる、といった具合です。
とは言え、このシステム自体はどっぷりはまり込んだ人向けのようで、トロコン目的以外にプレイする必要性がなく、面倒に思ったら無視して問題ありません。
頑張って全部やりたい、という方はExcel管理しましょう。仕事だと思ってやれば500人分のデータ管理なんてすぐに終わります(全員分を作る必要もありませんし)。逆に言えばそこまでする必要がある程、このシステムはゲーム内では使いにくく、ストレスがマッハでたまります。
※Ver.1.03にてメニュー周りのシステムが大幅に改善されました。
パッシブの自動ソート、メニュー画面でのページ送り、人物相関図での高速移動、WIRE画面からの遷移などが追加され、UIは一般的な水準に達したといえます。
また、WIREのプロフィール画面で前後の生徒のプロフィールに遷移できるようになり、エントランスマップにセーブポイントが追加されました。
その為、以前よりもトラウマクエストをスムーズに進行できるようになりました。
出来ればトラウマクエストの緩和条件でソート、呼び出したら自動でエントランスにワープ、会話SKIPを長押しではなく短く押すだけ、などの機能改修があれば尚良しですが、一番の問題点である因果系譜システムはExcel管理が不要なレベルで遊べるように調整されました。
ですので、システム的な問題はかなり改善されたといえます。
あとはムービーが最悪ですね。アニメ版も5話くらいから作画が目も当てられない感じになっていますが、本作のムービーは全てそんなレベルです。最初のムービーからして、見ていて眩暈がしました。
女主人公はイラストと見比べると詐欺ですし、サービスのつもりであろう温泉でのムービーには色気の欠片も感じません。
唯一良かったのは帰宅部EDのムービーで、キャラクターたちのその後が描かれています。どの人が誰なんだろう、と推測することで真剣に鑑賞できる楽しみがあります。(作画を抜きにすれば)評価できる一面もありますが、設定として一部のキャラ以外は現実でも姿が同じはずなのでは……? と突っ込みたい気持ちもあるので、やはり評価は悪くなります。
不満はそれなりにありますが、基本的にはシステムやUI、ムービーに集約されます。ここはもうどうしようもないのですが、シナリオに惹き込まれると割と気にならなくなります。
本作のキャラクター描写は目を見張るものがあり、プレイ当初のキャラクターに対する印象と、クリア後のキャラクターへの印象は大きく変わります。
鼓太郎や鳴子、彩声の第一印象は最悪です。特に彩声の理不尽な発言には不快感を感じていましたが、太陽神殿のイベントで身を張って他人を助ける姿を見てから彼女への印象は変わりました。
キャラクターエピソードで彩声のバックボーンを知るにつれ、彼女の周囲への対応は至極納得できるものとなります。寧ろ本人が言っていた通り、周囲にかなり譲歩して接してくれていたのでしょう。彼女の心情を伺えるようになると、胸が締め付けられる思いがします。
他のキャラクターもそれぞれ、このように印象が大きく変わるようなシナリオとなっています。つまり一人一人のキャラクターに対して、気づけば実際の人間に向けるような感情を抱くほど、感情移入をしている自分に気づきます。
楽士のキャラクターエピソードも同様に、彼らの人間性を深めるものとなっています。例えばスイートPには美笛を追い込もうとする時の怖さや、逆に真実がばれた時のコミカルな印象がありますが、それとはまた違う印象を受けます。
キャラクターエピソードを通じて、スイートPが自身をどのように思っているのか、どうなりたいのか、メビウスをどれくらい必要としているのか、それらが痛いほど描かれます。
そしてフラワープリンセスたちを通じてどのようにスイートPの意識改革が行われるのか、メビウスに対する思いがどのように変わっていくのか、それらもまた丁寧に描かれます。
こういったキャラクターの描写によって、キャラクターへの感情移入の深さは他では体験できない貴重なものとなってくれます。ほとんどのキャラクターに感情移入できるかと思われますが、そうでない方も誰かしらのキャラクターに感情移入できることでしょう。
キャラクターエピソードだけでなく、イラストもまたカリギュラを構築する重要な要素として挙げられます。
カリギュラのイラストは非常に美しく、イラストレーターがワールドデザインも担当されていることもあって、カリギュラの世界にマッチしたイラストとなっています。
ゲームグラフィックは褒められたものではありませんが、ステータス画面や立ち絵などのイラストがその点を補っています。特にステータス画面では美笛や鈴奈など、艶めいたイラストはキャラクターへのイメージも変わります。
主人公は男女ともに心の闇が表情に出ており、楽士EDに至る不穏さも読み取れます。シナリオと一体化している印象も受け、カリギュラはこの絵でなければならないと言えます。
バトルに関しましては、非常にぬるいものとなっていますが、バトル難易度は設定から自由に変更でき、HARDにすればそれなりの満足感を得られます。特に難易度HARDのソーン戦は大変厳しい戦いでした。この戦いにこのゲームのバトルの醍醐味がありました。
またクリア後に設定から敵のレベルを調整できるので、手応えが足りないと思われたなら、好きなように調節して楽しめます。
カリギュラは決して完成度の高いゲームではありません。シナリオとシステムの噛み合わなさを始めとして、決して褒められない箇所が多々あるのは間違いありません。
しかしながら、丁寧なキャラクター造形を始め多くの美点があり、それがうまく嵌ったユーザーには得難い経験として、長く記憶に残る作品となることでしょう。
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